電源トランスについて

   単 巻    複 巻    大きさのポイント    容量の算出    安全対策のポイント

   スコットトランス    逆Vトランス    ノイズ阻止トランスについて


一般的にオートトランスと呼んでいます。一つの連続した巻線から、入力と出力を取出す構造のトランスです。小型化には最適ですが、入力と出力が分離されていません。
   単   巻

オートトランスに対し絶縁トランスと呼ばれています。入力と出力が電気的に分離されたトランスです。電気的に絶縁分離を必要とする場合、独立した出力を取出すのに適しております。
   複   巻

 大きさ決定のポイント
電源トランスは磁束密度Bmと電流密度A/muの関係からくる温度上昇でほぼ決定されます。更にコア材質によって温度上昇は大きく左右されます。経済的には無方向性珪素鋼鈑が最適ですが、電圧変動率や温度上昇を低く小型化するには方向性珪素鋼鈑を選ぶ事が最適です。また常時入力、常時出力でない場合は、その条件によりBm,A/muを温度上昇限界までにして小型化設計が可能ですので、情報をご提示下さい。特に指定がない場合はJIS規格にて設計致します。

電源トランスの容量は2次側の各々の電圧と電流の積の和から求められます。
   容量の算出

 安全対策のポイント
電源トランスの安全対策として電取、UL、CSA、IECなどの諸規格がありますので必要の場合はご明示下さい。火災や感電等の防止として、電極間の沿面距離を確保するためのボビン構造や温度ヒューズ挿入等の対策が必要です。温度ヒューズを1次側に挿入する場合、1次電流値は(トランスの電力VA)÷1次電圧に対し効率の100%以下ですので、その分30〜60%前後の余裕をみて下さい。また入力電源ON時の過渡現象に対しても、タイムラグ溶断型ヒューズ(JISC6575、TS、TL)等をご利用されますことを推奨致します。

三相回路から相当大容量の単相負荷を、変圧器の結線により三相回路に平衡負荷として取りたい場合、たとえば単相の電気炉や非常用電源の単相負荷等でこのような場合、最も広く用いられているのがこのスコット結線方式のトランスです。
  スコットトランス
   長 所   入力側三相に平衡負荷が得られる。
   短 所   負荷側(単相回路)を2回路にバランスを取って分けなければならない。
          シリーズ、パラなどにして使用することはできません。

三相回路から相当大容量の単相負荷(1回路)を変圧器の結線により得たい場合に使用される変圧器で、この方法は逆V結線方式といわれています。
   逆Vトランス
   長 所   スコットの様に負荷側を2回路にしないでよい(1回路)。
   短 所   下記結線図で解る様に三相入力電源がスコット結線の様に
          三相平衡電流にならない。

 ノイズ阻止トランスについて
ノーマルモードとコモンモードノイズをいかに少なくするかが問題です。一番よい方法は50Hz又は60Hzしか通過しないコアが開発されればよい事です。一般的には静電シールドだけでもコモンモードノイズを相当阻止可能ですが、更なる工夫のもとにノーマルモードもコモンモードもどちらのノイズも阻止すべくノイズ問題と戦っております。


以上のこれらの資料は各々の抜粋資料です。